2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

高田ファミスタ&千早メロン@Gallery LE DECO

二日前とは打って変わってこちらはギター2本による協演。当然にせんねんもんだい本体とはだいぶ印象が違う。楽器としてのギターの使い方が違うし、控えめながらボーカルパートまである。ただ、一つ一つの音に対するこだわりだけはやはりまったく変わらなか…

オタール・イオセリアーニ『田園詩』(1976)@アテネフランセ文化センター

田園が広がる村は二度大雨に襲われるが、時間が経てばいずれ嵐は過ぎ去り、心地良い晴れ間を取り戻す。同じようにしばらくの間村に滞在していた室内楽団の面々も、やがては村を去っていかなければならない。イオセリアーニの絶妙なタッチは、たったそれだけ…

セルゲイ・パラジャーノフ『ざくろの色』(1971)@アテネフランセ文化センター

何かとんでもない映画を観てしまったような気がする。あまりの衝撃でスクリーンの中で起こってることを頭をフル回転させて考えていたが、途中からそれが馬鹿らしくなってきたのであとはひたすら観ることに専念。これがアテネフランセ名物、映画の授業・現代…

スティーブン・ホプキンス『リーピング』(2007)@渋谷TOEI

公開して間もないはずなのだが、明らかに各地の映画館で急速に上映回数が減らされていっているのであわてて観にいった。CMの感じからして『キャリー』みたいなものだろうと思っていたけれど、本当に『キャリー』そのものだったのでラストシーンでついに我…

ジャック・ベッケル『モンパルナスの灯』(1958)@Bunkamuraル・シネマ

本当はいま話題の超大作『パイレーツ・・』を観にいくつもりだったのだが、上映がすでに始まってもなおチケット売り場にできている長蛇の列を見て断念。なので急遽ジャック・スパロウからジャック・ベッケルに乗り換えたのだが、この映画がかなり重々しい終…

ホナガヨウコ&にせんねんもんだいセッション@Gallery LE DECO

ファスビンダーに続き僕はここでも鳥肌ものの体験をすることになる。にせんねんもんだいがギャラリーで開催する諸々のイベントの初日。あくまでメインイベントは6/1と6/2のライブということで、わりと気軽に臨んだのだが(1ドリンク付で500円だったし)、蓋…

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(1972)@アテネフランセ文化センター

題名やクレジットが被さるファースト・カットで電気が走るように受けた衝撃は最後まで消えることはなく、思わず身を乗り出してしまうほど凄い映画だった。全5シーン、いずれも同じ一つの部屋で物語が展開したにもかかわらず、その狭い空間を最大限に利用し…

本木克英『ゲゲゲの鬼太郎』(2007)@ワーナーマイカルシネマズみなとみらい

この映画を観る前日、梅本洋一氏が講義の中で「俺にもコストパフォーマンスは重要なのね。時間のほうの。」と言っていた。そういう言葉を聴いたということもあり(常に意識しているつもりでもあるが)バイト前の時間にバイト先で無料でこの映画を観る。「お…

『梅佳代展覧会(男子)』@EPSON IMAGING GALLERY epSITE

写真を撮るということの根源的な楽しさが伝わってくるとか、まるで被写体に撮らされているような自然な写真だとか、色々考察することはできるが、要約すると梅佳代は“ズルい”。特に今回の、被写体を含めたあまりの無邪気さには到底太刀打ちできないものがあ…

ボブ・ディランオールナイト@吉祥寺バウスシアター

ボブ・ディランの66歳の誕生日を記念してリリースされるDVD『Dont Look Back』の発売を記念してバウスで行われた爆音オールナイトイベント。上映された中身は、今回発売される『Dont Look Back』のアウトテイクを基にペネベイカー監督自ら今回新たに編集した…

『KOMAMORPHOSE 07』@東京大学本郷キャンパス

遅刻していったら曽我部が三分くらいしか見れなかった。しかし、観客のテンションは最高潮に盛り上がっていて、みんな幸せそうな顔。天気もよくてとてもいいイベントでした。曽我部の後のDJヨーグルトも流れを切らない良い選曲だったのですが、曽我部だけみ…

E.D.P.S.『December 14th 1983, May 27th 1984』(1984/2007)@SS Recordings

いわゆる東京ロッカーズに過度の思い入れはないが、ツネマツ・マサトシのE.D.P.S.が好きだ。ある意味、ツネマツが在籍していたフリクションよりも好きだと言っていい。そのE.D.P.S.が82年から2年半という短い活動期間に残した3枚のアルバムが近頃再発された…

曽我部恵一BAND『KOMAMORPHOSE 07』@東京大学本郷キャンパス

すばらしいライブだった。それはもうニールヤングがクレイジーホースを引き連れているようなものだった。しかもかなりバンドの近くで見れたので、様々なプレイを細かく見ることが出来た。最近見たライブの中でもかなり上位にランクインするモノだったと思う…

カール・テホ・ドライヤー『吸血鬼』(1931)@アテネフランセ文化センター

最近の吸血鬼映画と言ったらやっぱり『ブレイド』シリーズとかになるのかなと、この作品にまったく関係ないことを考えながら観てしまった。影を追いかけていくところの演出には胸を躍らせられるものがあったが、いったいあれはどうやって撮影したんだ?(高木)

カール・テホ・ドライヤー『裁かるるジャンヌ』(1927)@アテネフランセ文化センター

以前にDVDで観たから映画館に足を運ぼうか迷ったけれども、やっぱり行ってよかった。映画史の本とかで語りつくされたような作品なのであまり下手なことは書けないが、とにかくあのジャンヌを演じた女優を褒め称えたい気持ちでいっぱい。真っ白な背景に浮…

カール・テホ・ドライヤー『吸血鬼』(1931)@アテネフランセ文化センター

ドライヤーの作品に漂う「神聖さ」というのが、僕には『裁かるるジャンヌ』よりは宗教色が薄いはずの『吸血鬼』により濃く表れているように思える(もちろん『奇跡』には及ばないにしても)。それがまた、この映画が単なる吸血鬼もののホラーにとどまらない…

カール・テホ・ドライヤー『裁かるるジャンヌ』(1927)@アテネフランセ文化センター

サイレント映画の金字塔であるこの作品をようやく劇場で見られる時が来た。今までDVDで見るのを辛抱していた甲斐があったというものだが、ただこのような金字塔を見る時にありがちな邪念というか、映画史的な余計な視点を横切らせながら見てしまった感もあり…

曽我部恵一BAND『KOMAMORPHOSE 07』@東京大学本郷キャンパス

とにかくライブがいいとの噂は随分前から聞いていたが、きちんと観るのは今回が初めてだった。音響や場所などの悪条件のせいで100%の実力とはおそらく程遠かったに違いないが、それでも約一時間、完璧な曲順と盛り上げ方であっという間に東大を「曽我部恵一…

曽我部恵一BAND『KOMAMORPHOSE 07』@東京大学本郷キャンパス

観衆が皆、一様にとびっきりの笑顔を浮かべていた。初夏の野外ステージ、曽我部恵一BANDが演奏している間、会場は常にピースな空気で満たされていて、心地よい風が吹いていた。何もかもが混沌としているこの時代に、リアルタイムで、彼らのようなピースなス…

『Kaikoo Vol.5』@新大久保EARTHDOM

DJ BAKUのイベントKAIKOO。DJBAKU初体験。遅めでバキバキなエレクトロブレイクビーツな感じから始まり、山場で一気に高速スクラッチで高速ブレイクコアになると、観客はモッシュにダイブに暴れまくり。噂に違わぬ盛り上げっぷり。DJBAKUはやはりかっこよかっ…

ジガ・ヴェルトフ『カメラを持った男』(1929)アテネフランセ文化センター

なんの予備知識もなしにジガ・ヴェルトフのこの作品を観てしまったのだが、スローモーションや早回しなどといった技法がとんでもなく多用されたその映像に、ただただ圧倒された。家に帰ってからウィキペディアで、どういう監督なのかをチェックして頭の中を…

ロバート・J・フラハティ『極北の怪異』(1922)アテネフランセ文化センター

極北で暮らすエスキモーたちの狩猟生活を映したドキュメンタリー映画。2トンのセイウチを銛一つで狩り、生肉のままその場で食すのがエスキモー流。なんだかんだでイグルーの作り方を最初から最後まで見たのはこれが初めてで、隣の観客も「ほほう」と感心し…

『ボブ・ディラン・ナイト 前夜祭』@吉祥寺バウスシアター

ボブ・ディランに所縁のある3人によるトークショーはまあ、なるほどという感じで、個人的に思い入れのある浦沢直樹を生で見れたのは嬉しい。上映された『65 Revisited』は特に脈絡があるというわけではないものの、ライブで演奏された楽曲がフルコーラスで…

アレクサンドル・メドヴェトキン『幸福』(1934)@アテネフランセ文化センター

クリス・マルケルが『アレクサンドルの墓』で再評価をしたメドヴェトキンだが、確かにこの作品の主人公グズを取り巻く人々は『ドックヴィル』の共同体と同じように国家や世界の縮図として提示されていて、単なる風刺喜劇では片付けられない政治性を孕んでい…

フセヴォロド・プドフキン『聖ペテルブルクの最後』(1927)@アテネフランセ文化センター

サイレント期のソビエト映画を見ていつも思うのだが、ロシア人はどうしてこれほど恐い顔をしているのだろうか。もちろん、過剰なまでに駆使されるモンタージュ技法がその迫力を増幅させているのだが、それにしても男も女もみな殺気立っていて、いかにも強そ…

クラムボン『Musical』(2007)@COLUMBIA

アルバムタイトルが『Musical』で曲名も「GOOD TIME MUSIC」とか「あいのひびき」とか音にちなんだものが並び、極めつけの最後は「Dear Gould」である。見落としがちだが去年発売のシングルのタイトルも「THE NEW SONG」で、最近のクラムボンはもう3人で音…

チャンピオンズリーグ決勝:ミラン対リヴァプール

何しろ2年前と同じ顔合わせで、しかもその試合があまりにも劇的だったもんだから観てる方も余計に力が入ってしまう。正直どちらが勝っても感動するんだろうなとビッグイヤーを掲げる姿を見ると思わずにはいられない。 少し試合を振り返ってみると、前半はど…

F・W・ムルナウ『サンライズ』(1927)@アテネフランセ文化センター

冒頭のトラジションを駆使した映像の後、主要人物たちが登場してくるのだが、そこでの人物たちの動きにまず目を奪われる。まるで、身体中に均等に重りをつけられたかのような、重苦しい動きなのだ。いや、この映画に即して言うならば「重り」ではなく彼らは…

フランク・ボセージ『第七天国』(1927)@アテネフランセ文化センター

『第七天国』を観る前日、諸事情から大ヒットした韓国映画『私の頭の中の消しゴム』を観た。この韓流映画、物語については今更語るまでもないだろうが、とにかく、恋人の二人が抱き合っているか、キスしているか、「サランヘヨ(愛してる)」と言っているか…

9mm Parabellum Bullet『The World e.p.』(2007)@東芝EMI

「史上最強のライブバンド」と各所で評されるほど現在話題沸騰中なのが、このキュウミリパラベラムバレットである。まだそのライブは未体験だが、映像で観る限り爆発的なパフォーマンスには並々ならぬエネルギーを感じる。僕が敬愛する音楽誌編集長は、このE…