2007-05-22から1日間の記事一覧

F・W・ムルナウ『サンライズ』(1927)@アテネフランセ文化センター

冒頭のトラジションを駆使した映像の後、主要人物たちが登場してくるのだが、そこでの人物たちの動きにまず目を奪われる。まるで、身体中に均等に重りをつけられたかのような、重苦しい動きなのだ。いや、この映画に即して言うならば「重り」ではなく彼らは…

フランク・ボセージ『第七天国』(1927)@アテネフランセ文化センター

『第七天国』を観る前日、諸事情から大ヒットした韓国映画『私の頭の中の消しゴム』を観た。この韓流映画、物語については今更語るまでもないだろうが、とにかく、恋人の二人が抱き合っているか、キスしているか、「サランヘヨ(愛してる)」と言っているか…

9mm Parabellum Bullet『The World e.p.』(2007)@東芝EMI

「史上最強のライブバンド」と各所で評されるほど現在話題沸騰中なのが、このキュウミリパラベラムバレットである。まだそのライブは未体験だが、映像で観る限り爆発的なパフォーマンスには並々ならぬエネルギーを感じる。僕が敬愛する音楽誌編集長は、このE…

F・W・ムルナウ『サンライズ』(1927)@アテネフランセ文化センター

女の夫に対する疑心暗鬼の念は相当なものであった。一緒に旅行に出掛けても夫を信じることができない女の表情はまるで人形のようで、もう少し時代が進んでいたらとっくに精神病として描かれているところだ。その疑心暗鬼の念はわれわれにも伝播して悪い予感…

廣末哲万『14歳』(2006)@ユーロスペース

僕にはこの作品を早めに観ておきたかった理由が二つあって、一つは前作『ある朝スウプは』を観て以来、廣末哲万と高橋泉による映像ユニット「群青いろ」に注目していたから。もう一つは中学生ぐらいの少年少女を軸に描かれる映画にはちょっとした思い入れが…