2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧
仙台発、地元を中心に数々のイベントに出演し、徐々に活躍の場を広げていっているパフォーマンス集団(HPにはTechnodelic Comedyとある)。その新作ライブ。映像と自らの身体を巧みに交錯させた最初のシークエンスを観て、正直やられた!と思ってしまった…
「Mala Noche」の意味はスペイン語で「最悪の夜」。しかし何とも寝苦しい8月の東京の夜々に、このすばらしい作品が毎晩上映されているというのはちょっと素敵なことではないだろうか。ガス・ヴァン・サントのこの処女長編には確かに彼の後の作品に通じる要素…
執拗なまでに描かれる細部が、連想ゲームのように脱線に次ぐ脱線を繰り返し、ただ理由のない恐怖心だけを駆り立てていく。その恐怖が「絶望」に裏打ちされているのは、作中、中原昌也自身によって悲痛なまでに語られている。「中原昌也の次の動向に期待!」…
我が母校のOBである大江健三郎を読むのははじめてであった。授業で大里さんが言っていたように性器のことをセクスと書いていたのはとても興味深く面白かった。すごく読みやすく分かりやすかったが、描かれているものはとてもリアルな閉塞感でありどこかとて…
なんてキレイな表現たちなのだろう。初めて読んでからかなり時間がたっていたせいかとても新鮮であった。日本語独特の色彩表現がつかわれ、宮沢賢治が夢見ていたであろう銀河の息遣いが聞こえる。さあ耳を澄まして読んでみよう。(上西)
周りの人物に対して道化を演じて、本当の自分の存在に気づかれるということに怯えている。これは多くの人がそうなのではないか。そして多くの人はそのことにさえ気づいていないのではないか。重要なことに気づかせてくれる本であった。(上西)
最年少ヘッドライナーであり、今イギリスでもっとも勢いがあるバンドだろう。転換が終わるやいなや人が流れ込んできてただならぬ雰囲気が流れていた。そしていざライブが始まってみるとモッシュの嵐だった。最高にかっこいい曲を淡々と演奏してゆく姿がとて…
今まで出しているアルバムはどちらも好きだったので期待大だったが、その期待を大きく裏切るすばらしいライブだった。曲が始まるたびに歓声が起こり大合唱がはじまる。そしてなんといってもバンド自体がかっこいい。ギターを弾く姿、歌う姿、どれも見ていて…
まだまだ日が沈まないなか、汗が滝のように流れ、ギターの轟音が聞こえる。演奏しているアーティストが一番気持ちよさそうでうらやましかった。ライブ終盤に旗が振られそれに答えている姿はなんだかとてもうれしそうに見えた。(上西)
太田光からも大絶賛を受ける本作が古川日出男の最高傑作かどうかはわからないが、彼がいわゆるネクストレベルに突入したというか、新しいシーズンへ移行したことを高らかに宣言する作品であることはまず間違いないだろう。近作にもその兆候は見て取れたのだ…
上映時間がちと長い……でもその分この映画には季節があるし、主人公にとって愛おしくてたまらない時間の流れというものが確かに描かれている。そしてたとえば『腑抜けども〜』のように田舎で生きることの息苦しさを暴く作品がある一方で、この作品における田…
かっこいいおしゃれな音楽をやっているバンドには少し抵抗があるのだが、このバンドはまったくいやみを感じなかった。ゆるく柔らかい音楽を聴いていると、とても心地よい気持ちになってきて、周りの空気が変わっていくのを感じた。単純にかっこよかったのだ…
僕はまったくDE DE MOUSE の人気を知らなかったのでまずは人気ぶりに驚かされる。MCでしゃべるたびに盛り上がる客、前の客の踊りが激しくなっている。めちゃくちゃ汗をかいているおっさんが前で踊り狂っていたのでくさかったが、どことなくインド風の声が響…
一番手で出てきて何も言わずにギターを弾き始める。リフがループを繰り返していくうちに少しずつ付け加えられていく音が曲の表情を変えていき、最終的にいくつもの音が重ねられ完成する。そうか、つまり曲の表情を作り上げてゆく過程を見せられていたのか。(…
前回見たときと同じMCが今回もあったので今回は間違えずに「最後は金」といえた。作りこまれた演出が僕たちを楽しませ、その演出の隙間に見える音楽(ヒップホップ)に対する真剣さが、僕たちを二人が作り上げたライブに溶け込ませていく。とても満足のいく…
ライブが始まった瞬間、ベースのスラップが空気をゆらした。力強いドラムと、エフェクターをいくつも通して作り出されたギターの音がそのベースにいろどりを加える。バンドの鳴らしている音が固まりになって、個人の出している音が完全にその音の固まりに溶…
はじめてみたのだが曲を知らないでも十分楽しめた。爆音で流されていく音にシャウトが乗っかりぐんぐん成長していく。サンプラーの調子が悪かったらしくアンコールでサンプラーを投げつけていたが、その姿がとてもかっこよく、まるでクラッシュのロンドンコ…
『Helpless』『ユリイカ』の続編。この二作品を過去とする浅野忠信と宮崎あおいが出会う今回の映画は、以前とはいささか違う試みがされているし、もちろんそれらの作品と比べて見劣りするなどということは決してない。物語の主な舞台となる「間宮運送」が位…
聴いていて最初から最後まで痛快な気分を持続させてくれる傑作アルバム。そしてこのブログ上で話題になったCSSがいいと思った人はぜひ聴くべきだし、どんな場であってもBGMとしてかければたちまちそこをハッピーという名の粒子に溢れたフロアへと変貌させる…
STUDIO VOICE4月号の「ロックを担うかもしれない40組」にも選出されたネハンベース。こういう笑顔ふりまいてどこまで本気かわからないフリして変態的なことをやってのけてしまうバンドは末恐ろしい、と思う。どうやらこのミニアルバムには、12拍を単位とし…
読み進めているときも読み終わったときも、のどの奥に魚の骨が引っかかった感じというか、胃のある一部分だけがもたれてる感じというか、そういう忘れたくても気になって仕方がないみたいな微妙な感じがまとわりついていた。絶好調の浅野いにお最新作は、こ…
みんなHALCALIのことなんて気にしてないと思うけど、ニューアルバムが発売されました。リップスライムのフミヤ、ポリシックスのハヤシ、ラムライダーなどが参加したこのアルバムは痛快なポップアルバムに仕上がっている。ほとんど4打ち主体だし、普通のボー…
全共闘の話を付け焼刃の知識で語ることはできないので避けさせてもらうが、話の芯は単純にやりきれない思いを胸にもがく若者の姿であったと思う。今回の藤原カムイの絵はかつて無いほどの密度をもっていて、全編を通して、緊張感なのか悲壮感なのか、上手く…
誰かがライブの後に「男気」という言葉を口にしていたが、確かに「男気」を感じるライブだった。男MCはやけっぱちにもみえる歌い方だし、手打ちのリズムマシーンも多少のリズムのずれはお構いなしでバシバシ押してました。そこに、ただならぬ風貌でダラダ…
「出会い」の有効性についてのささやかなレッスン。──正直に打ち明けてしまえば、暗黒舞踏に大した関心はなく、黒藤院が山海塾から分派した集団であると聞いても、さほど心が動かされるわけではない。実際、チラシをつらつら眺めてみても、いわゆる「Butoh」…
この映画の評判を聞きつけたときには公開がすでに終わっていたので、今回の中国映画特集でジョニー・トーのほかの作品と一緒に観ることができるのはうれしい限り。『マッスルモンク』のようなコメディー(?)を撮れる一方で、この映画のように闇社会の男た…
結構前に見たのだが、いまでも僕の網膜にはスクリーンに映し出されていた狂熱が残っている気がする。先日行われたフジロックの原型になったイギリスのフェスティバルのドキュメンタリー。さまざまなアーティストのライブあり、運営する側、観客、更にはトラ…
名前をいたるところで聞いていたので、読んでなければ恥ずかしいなと思い読んだ。読みすすむにしたがって、僕の中で不思議なアンチズムとD.I.Y.精神が積み木のように構築されていった。そして寺山修司の挑発にやってやるぞと思う自分に出会えた。こんな自分…
前期のいくつかの授業で取り上げられたので読んだ。読む前「これが近代的自我を探したあげく行き着いた私小説なるものか!」と意気込み、とても面白い人糞話が散りばめられた作品に驚かされ、私小説とはなんたるかを見せつけられた。本に書かれているような…