2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧
足を運ぶのは初めての浅草名画座で、初めて次郎長ものを観る。なんといっても驚きなのは90分の時間をフルに活用したメリハリのある展開で、清水の次郎長はとことん魅力的だし、渥美清がでてくるところなどは笑いが止まらなくなる。プログラム・ピクチャーの…
必ずしも土本典昭の全仕事を回顧しているわけではなく、やはり中心となっているのは水俣病についての作品群である。とはいえ、現在78歳の土本典昭自身の発言がたっぷり盛り込まれたこのような企画はなんと言っても貴重だ。また、歳を積み重ねてなお精悍さを…
残念ながらこの作品について語る言葉を僕は持ち合わせていない。家に帰って調べようとしたが内容に関する詳細はまったく出てこないし、夏目漱石にしても菅野スガにしても僕は知らなすぎる。小説家・青山真治らしい作品というか、小説家としての彼の側面が強…
フランソワーズ・ドルレアックの美しさは言わずもがなだが、ジャン・ドゥサイの明朗な声と裏腹の曖昧な表情が思いがけず素晴らしい。しかしそれ以上に素晴らしいのは、リスボンのホテルやランスの劇場のシーンで見られる物言わぬ恋人たちが交わす危うげな視…
ペネロペ・クルスはその整った容姿とは裏腹にあまりパッとしない役ばかりと思っていたのだが、この映画ではまったくそんなことはなく、むしろ思い返せば彼女ばかりに視線がいってしまっていたような気がする。男の存在が排除された世界で、さらりと笑いも織…
イカ天出身のBIGINが始めた、「うた」に感謝しよう!みたいな照れくさいイベントだったが、そんなコンセプトとか一切関係なく、すべてを持っていった遠藤賢司のすさまじすぎるLIVEにただただ感動。(長汐)
伊坂幸太郎原作、仙台にてオールロケという2点は確かに公開二日目に観に行く要因にはなったが、前評判通り内容も見過ごせないものだった。伊坂小説の映画化はこれまでもこれからも何度も試みられていて、必ずしも成功しているわけではなさそうだが、今回に…
都内の美大に通うDJぷりぷり企画のイベント。出演者がものすごい人数で、川染喜弘が大画面でスト2をやっている裏で雨宮まみがAV講座をやってたり、54-71の裏で、手作りパン講座が開かれていたりと、統一感なんてまるでないごちゃ混ぜのイベント。飴屋法…
先日発売されたばかりのホラー作家、平山夢明の短編集。タイトルの「ミサイルマン」はハイロウズのあの曲から来ているのだが、曲の歌詞に負けないくらい本の内容もぶっ飛んでおり、読んでいると奇妙な心地よさを感じる。常人、奇人、狂人が激しく交錯する病…
フレームいっぱいに広がる歩道や建物といったものの幾何学的なフォルムによって、まるで意図的に配置されたかのような人々の姿がより印象深いものに見えた。思わず魅入ってしまう作品も多々あり、「決定的瞬間」という前宣伝も納得できてしまう。時代背景が…
今、日本のインディーズ界隈で非常に注目を集めているバンド、おとぎ話。自主制作盤CD−Rがバカ売れしたり、銀杏BOYZの峯田に絶賛され、銀杏のライブの前座を務めたり、今年の初めに発売された初のプレスCDがユニオンのインディーチャートでトップを飾るなど…
あの町田康をして「今日本で一番パンク」と言わしめた大阪のバンド、オシリペンペンズ。編成は、難解なリズムのジャズドラムに、ペラペラで奇怪なフレーズを奏で続ける三味線ギター、過激な咆哮ボーカルの三人。このライブの日、おとぎ話を始め他のバンドた…
ホームレス、浮浪者、粗大ゴミなどバリー・マッギーがテーマにするものは町が排除し、隠そうとしているもの。何度も補強されているが、それでもぶち破れそうになっている壁のインスタレーションからは、あらゆる規制に屈しない表現への欲望が感じられた。(長…
toeとは盛り上がり方もまったく違う圧巻のライブパフォーマンス。きちんと観るのは初めてだったのだが、やはりこれぞロックバンド、これぞライブという有無を言わせぬ迫力を備えていた。しかもMCはそういった雰囲気とは裏腹に爆笑の連続。なのだが、実は次の…
どれだけ認知されているのかわからないがtoeはインストバンドで、しかもライブスタート時はギターの2人も座って演奏するという穏やかなムードが漂っていたのだが、ライブ後の感想は「今まで観たどんなバンドよりもエモーショナル」だった。イースタン・ユー…
グルジア時代の作品はなかなか観れないのではと思っていたのでかなり気合いをいれて観た。ダメな奴だがやっぱり憎めないという主人公の男にものすごく好感を持っていただけに、『気狂いピエロ』並みの衝撃のラストによってかなり動揺させられる。(高木)
『素敵な歌と舟はゆく』の感動のおかげで一睡もせずに観ることができた。田舎とかヴェニスの名所とかをとても美しく撮っている一方で、遠くに見える作業クレーンや工場もちゃんと映しているのは良かった。キャストも個性的な人達を集めていて、ときどき意外…
エレクトロニカポップユニット、ギャングポル&ミットが岸野雄一プロデュースではるばるフランスから来日。もちろんポップでキュート。しかしそれだけではなく、そこに意外にワイルドなビートも混ざり合って、絶妙な音楽が作り出される。 LIVEはばっちり踊れ…
先日ついにファーストアルバムをリリースしたスマーフ男組がHALF DAYSに登場。早朝7時に宇川を筆頭に起こった「ロスアプソン!」コールに熱いものを感じた。素敵なおじさん達に感謝しなければいけない。(長汐)
さあそして、一度はライブを観てみたかったマイス・パレードが登場。今回は7人編成で女性ボーカルは元mumのKristin Anna ValtysdottirではなくCaroline Lufkinということで、正直クリスティンは観てみたかったけどキャロラインの歌声もすごくマイス・パレー…
当初はシークレットだったオープニングアクトがクラムボンに決まったときは本当に嬉しかった。これで07年2回目のクラムボン、多分今年はさらにあと2回観に行くことになるだろう。序盤でニューアルバム『Musical』のなかでも特に気に入っている“GOOD TIME M…
本当に素晴らしいモノに出会った時、急に理論を並べる自分に恥ずかしさを覚え、ただただ『感動』という至極チープな単語しか浮かばない己の語彙力と教養の無さに嫌気がさす。 ハンバートハンバートがステージに上がり、たんたんと自分たちの音楽を響かせる。…
こんな映画に出会った日には全てが憎悪の対象になってしまうからどうしようもない。ドキュメンタリー的演出、日本文化特有の特撮物の影響、ヒーローの存在意義、生活の場となる家と戦いの舞台となる都市、テレビのバラエティー番組的演出、吉本芸人(かと思…
先月、boidからCDを発売したばかりの中原昌也。作家や映画批評家としての活動が目立っているためか、彼のそもそものフィールドであった音楽シーンからは、もはやサブカルではなくハイカルチャーの人と見なされている節がなくもない。それはこのインタヴュ…
森美術館に入るのは随分久しぶりで、いつもどのぐらいの規模で開催しているのか忘れていたこともあって、とにかく情報量の多さと展示方法の工夫のしかたに大満足の展覧会だった。そもそもコルビュジエの絵画や彫刻といったアーティストとしての側面を堪能で…
コルビュジエの前に肩慣らしのつもりで入ってみたのだが、そういう自分が恥ずかしくなってしまうほどエネルギーに満ち溢れた絵ばかりで驚いた。確かに描き手たちはそれぞれ色々なハンディキャップを背負っていて、絵を描く理由や方法もさまざまではあるが、…
7人の監督によるオムニバス映画。上映時間の長さは気になるものの、テーマとしては嗜好にピッタリなので当然観に行く。結果的には7本のうちカティア・ルンドとエミール・クストリッツァの2本は、短編の特性を活かして子どもたちの日常を淡々と、悲痛にな…
先日の『赤線玉の井〜』がかなり印象的だったので、時間的に無理をして神代辰巳の作品に足を運ぶ。故郷に帰省したにも関わらず、別人を装う主人公。その主人公がフィルム運びの仕事をしているのが興味深い。フィルムという過去を焼き付けたものを過去を捨て…
ゼミの課題のため、ゴダール漬けになっていた僕は、麻疹休講の決定をいいことにすかさずハリウッド娯楽大作に足を運ぶ。それがこの『300』だ。今更物語を説明するまでもないと思うが、スパルタ教育で有名なスパルタの兵士300人が100万人のペルシア軍に戦…
相変わらず、朝六時だというのに多くの人が踊り続けている。ゲストDJ、PEECHBOYの、カプセルやパフューム等のガールズポップを間にはさむ感じはまさに絶妙。そして、くるりがプレイされた朝五時、パーティーは最高の盛り上がりを見せた。 一緒に連れて行った…