ジョニー・トー『エレクション』(2005)@新宿ケイズシネマ

この映画の評判を聞きつけたときには公開がすでに終わっていたので、今回の中国映画特集でジョニー・トーのほかの作品と一緒に観ることができるのはうれしい限り。『マッスルモンク』のようなコメディー(?)を撮れる一方で、この映画のように闇社会の男たちの血生臭い物語も描けてしまうのは、やはりジョニー・トーの力量が高いからなのだろう。『PTU』でも、圧巻のラストまでに到る見せ方には忘れがたいところがあるし、『ブレイキング・ニュース』の冒頭での(おそらく)クレーンを使った長回しも一見の価値ありだと思う。何にせよ、映画館を出るときには、この人の新作がものすごく気になってしまっていた。(高木)