E.D.P.S.『December 14th 1983, May 27th 1984』(1984/2007)@SS Recordings

いわゆる東京ロッカーズに過度の思い入れはないが、ツネマツ・マサトシのE.D.P.S.が好きだ。ある意味、ツネマツが在籍していたフリクションよりも好きだと言っていい。そのE.D.P.S.が82年から2年半という短い活動期間に残した3枚のアルバムが近頃再発された。これはその掉尾を飾るライブアルバム。時にファンキーさも醸し出すうねるリズムとツネマツの硬質なギターが織りなすタイトに疾走するアンサンブルがとにかくすばらしい。もしも彼らのサウンドぶっきらぼうに聞こえるとしたら、それはE.D.P.S.もまた80年代初頭の反時代的なインディーズバンドたちの雰囲気を共有していたという以上に、彼らが余計なギミックは必要ないと確信したロックにおけるミニマリズムを体現しているからだ。そこでは安易な共感の回路など早々と切り捨てられたにすぎない。(彦江)