チャンピオンズリーグ決勝:ミラン対リヴァプール

何しろ2年前と同じ顔合わせで、しかもその試合があまりにも劇的だったもんだから観てる方も余計に力が入ってしまう。正直どちらが勝っても感動するんだろうなとビッグイヤーを掲げる姿を見ると思わずにはいられない。
少し試合を振り返ってみると、前半はどう考えてもリヴァプールが優勢だった。シャビ・アロンソマスチェラーノボランチコンビが中盤を制し(セードルフなんてほとんどいいところがなかった)、随所でチャンスを作っていた。しかし、耐え忍んできたミランが最後の最後でフリーキックを得て先制。インザーギがまさに身体で押し込んだゴールだった。後半、疲れが見えてきたリヴァプールは思うように攻めることができない。キューウェルクラウチを投入してもその状況を変えることはできず、時間だけがズルズルと過ぎていく。そして最後は、ずっと狙っていた“ライン上で生き続ける男”フィリッポ・インザーギが追加点を奪い、勝利を決定付けた。厳しいマークにあいながらも2点に絡んだカカとは対照的に、最後まで波に乗ることができなかったジェラードの調子がそのままチームにも反映された結果となったといえるだろう。
それにしてもこんなに緊迫したムードが漂っていた試合を観るのは久しぶりで(ちょっとでも気を許してミスをするとあっという間に敵が詰めてきてボールを奪われてしまうのだから)、大興奮の90分だった。(今野)