本木克英『ゲゲゲの鬼太郎』(2007)@ワーナーマイカルシネマズみなとみらい

この映画を観る前日、梅本洋一氏が講義の中で「俺にもコストパフォーマンスは重要なのね。時間のほうの。」と言っていた。そういう言葉を聴いたということもあり(常に意識しているつもりでもあるが)バイト前の時間にバイト先で無料でこの映画を観る。「お金」も「時間」も有効利用できる理想的なコストパフォーマンスを実践できると思ったのだが・・・。大抵の人が想像している通り、この映画は批判できる点が無数にある。が、こういう「企画ありき」でたてられた映画を批判するのは無意味なことだろう。キャスト、ストーリー、カット割、宣伝、映画を構成する様々な観点のどの点から観てもこの映画が目指している事は明らかであり、それがなんなのかは言うまでもないだろう。そして現実にこの映画は、ヒットしていてそれなりにお客が楽しんで帰っていっている。そういう意味でこの映画は成功作であり、この映画がもたらした利益が日本の映画を金銭的に満たす要因となるのなら、全くこの映画は無駄ではない。ただ、それが僕の時間とお金についてのコストパフォーマンスが高いという事とは別問題。むしろ、コストパフォーマンスは最悪だ。
結局、時間を無駄にしていると思い、上映時間を45分ほど残して劇場を出る。するとバイトに人が足らないらしくて45分早くシフトインしてくれと言われ、それに従う。このほうがまだコストパフォーマンスが高いと言える。(田村)