ダニー・ボイル『サンシャイン2057』(2007)@109シネマズMM横浜

衰えてしまった太陽を核爆弾を投下して甦らせるという隊員たちの任務は、そもそも「太陽の寿命はあと50億年」という宇宙科学に反することだし、僕が見ても科学的におかしいだろうというシチュエーションが多いので(この映画では厚着をすれば人間が宇宙空間に出ても平気らしい)、本格SF映画と呼ぶには相応しくない。それなら、トンデモSF映画に居直ればいいのに、本格を気取ろうとするのは、往生際が悪いというか何というか。そうは言っても、充分楽しめはしたのだが、肉眼で見たら焼け死ぬ太陽をそれでも見ようとする主人公に、「ロバート・キャパ」という役名を与えるのはどうかと思う。(松下)