相米慎二『魚影の群れ』(1983)『台風クラブ』『ラブホテル』(1985)@シネマアートン下北沢

GW中ということもあってか、異常な熱気のもとに行われた上映。もともとあまり好きではない映画館、さらに満席による温度上昇のため視聴環境は最悪だったといっていい。しかし、それでもなお、これら三本の映画はどんな熱気も吹き飛ばすほどの素晴らしい魅力を秘めている。三本(というか僕が観た相米監督の作品)全てに共通するのは「水」のイメージだ。彼の映画の中に登場する「水(雨、プール、海、川・・・)」はなぜこれほどまでに魅力的なのだろう。そして登場人物たちがその水の中に身を落とすことがなぜあれほど感動的なのか。満席の劇場の中、汗だくになりながらそんな事を考えていた。上映終了後、下北沢の街に雨が降っていることを期待したが曇り空。僕は映画に取り残されたようで少し悲しい気持ちになった。(田村)